シリアをトランプ大統領が軍事攻撃した理由は何故なのか?

President-usa

 2017年4月7日の午前4時40分、アメリカの第45代大統領の「 ドナルド・ジョン・トランプ 」氏( Donald-John-Trump )【 70 】が「 私は今晩、軍事攻撃を命令した 」との声明を発表した。

東地中海に停泊していた米海軍の駆逐艦から計59発のトマホーク巡航ミサイルを、シリアのシャイラート空軍基地へ発射して軍事攻撃を敢行したが、その理由とは?

トランプ大統領がシリア攻撃を指示

 シリア[ سوريا ]政府の空軍基地でもある「 シャイラート飛行場 」は同4日に起きたシリア北西部のイドリブ県で勃発した化学兵器の空爆で多くのシリア国民が犠牲になった際、これに使用した航空機が発着した拠点で有ると言われている。↓

赤い印がシリア政府の空軍基地、シャイラート飛行場で左側に位置する海がアメリカ海軍の駆逐艦が停泊していた東地中海である。

この化学兵器に拠る空爆をシリア政権は「 関わっていない 」としているが、この毒ガス攻撃で民間人を含む約80人以上が命を落とし、400人以上が呼吸困難を訴えて負傷している惨状である。

さて、これに伴いアメリカのトランプ大統領が命令を行って遂行されたトマホーク巡航ミサイルの軍事攻撃の結果は、どうで有ったのか?

ロシア国営TVの報道に拠ればシャイラート飛行場に停まっていたシリア空軍機9機は爆撃されたものの、「 滑走路 」は無傷で1部が焼け焦げたのみで有ったという。

だが、この米海軍の軍事攻撃に伴い、シリアの一般市民4名が亡くなっている。

この「 シリア情勢 」のキーワードがGoogleトレンドでビシバシ検索されまくっている様なので、このトランプ大統領がシリアを攻撃した一連の問題をGoogleアドセンスのポリシー・ガイドラインに違反しない範囲で取り上げてみる事にした。

トランプ大統領がシリアを攻撃する理由

 ところでアメリカのトランプ大統領が主張するのは、
多くのシリア市民が犠牲になった4日の
化学兵器の空爆 」は
シリアのアサド政権の仕業だと断定している。

しかし、シリア政権の長であるシリア・アラブ共和国の
第5代大統領「 バッシャール・アサド 」( بشار حافظ الأسد )氏【 51 】が
率いるアサド政権軍は、シリア国営通信を通じて
「 我々はいかなる時、場所でも化学兵器を使用しては居ないし
数年前に廃棄しているので、これからも使う事は無い 」と
今回の空爆の関与を公式に否定している。

しかも、アサド大統領は以前に
日本人記者が行ったインタビューでも
「 政府の役割はテロリストから一般市民を守る事 」と
述べ、さらにトランプ大統領に対しても
「 アメリカの新政権にはテロと戦う為の、
真の連合を“シリアも含めて”誠実に築いて欲しい 」と
答えて居るのだ。

だが、今回シリア政権軍が化学兵器を使って
空爆を加えたとされるシリア北西部のイドリブ県は、
シリア政府に対抗する反体制派の「 シリア自由軍 」が
暗躍する支配地域で有るとされている。

実は、このシリア反政府勢力のシリア自由軍を
アメリカが物資や資金面などで支援しているのだが、
今回の巡航ミサイル攻撃の理由を
トランプ大統領が次の様に述べている

「 一戦を超えたアサド政権が、非人道的に
シリアの一般市民への毒ガスを使用した事で
シリアとアサドに対する味方が変わった。
これの対抗措置として軍事攻撃を遂行する事は
米国の国益に叶う!」と。

さらにトランプ米大統領は機内インタビューでも
「 何かが起きるべきだ 」とコメントしており、今回の
巡航ミサイルに拠るシリア攻撃を示唆していた。

以上がトランプ大統領率いるアメリカがシリアを
( 厳密にはシリアの現政権を )軍事攻撃した理由だが、
それでは更に深く掘り下げて「 何故アメリカは、
シリアの内戦に首を突っ込んでまで
軍事介入するのか?
」の真相に迫ってみたい。

米国がシリアに軍事介入する理由とは

 今回トランプ大統領がシリア内戦の反体制派である
シリア自由軍を援助しつつも、なぜ
軍事介入を実施したのであろうか?

本当にトランプ大統領が公式の場で発表した様に
「 人道支援 」的な立場から、ここまでの軍事攻撃を
行ったので有ろうか?

表向きは、そうだろうが「 真相 」は
4月6日午後( 日本時間7日午前 )に行われた
米中首脳会談の相手、習近平( しゅう《 习 》きんぺい )
中華人民共和国,第7代国家主席【 63 】率いる
「 中国 」を警戒しているからでは、なかろうか。

この米中首脳会談は米フロリダ州の
パームビーチに有るトランプ大統領の別荘「 マールアラーゴ 」で
行われたが、貿易経済政策から北朝鮮問題、
海洋問題まで話し合う目的の会談であった。

トランプ大統領側の要望が、なかなか習近平国家主席に
伝わらない事から苛立ちも見せていた
トランプ氏。

双方、ぎこちない笑顔で握手をしたりと
和やかなムード作りに努めて居た中で、トランプ大統領の娘
「 イヴァンカ・マリー・トランプ 」大統領補佐官
【 35 】の長女「 アラベラ・ローズ 」氏【 5 】が
中国人の世話係から習った歌を首脳会談の場で
披露している微笑ましい姿をTwitterでRTしている。↓

トランプ大統領の孫娘が可愛らしい歌声を披露する中でも
首脳会談の相手国、「 中国 」を警戒する理由は
まさにその中国が米国に次ぐ世界でも有数の覇権国家にして
大国である、と言う現実が米国を脅かすからでは無かろうか。

かなり前に「 日高義樹のワシントンReport 」とかいうTV番組を見た時に、アメリカ軍の所有する原子力潜水艦の「 ペンシルベニヤ 」は「 トライデントD5 」という核弾頭ミサイルを一隻につき24基、搭載しているのだという内容だったのを今でも覚えている。

そして、これはウィキペディアでも
記述されていなかったが、トライデントD5の1基分の威力は
太平洋戦争中に広島・長崎に落とされた原子爆弾の
約1000倍に相当するのだとか。

そしてペンシルベニヤの航行ルートは
軍事機密だと言うことで非公開なのだが、
ナビゲーターの日高義樹氏【 81 】は
「 この原子力潜水艦の航行ルートは
中国を意識されているのは間違いありません 」
と語っていたのである。

要は覇権国家で有るアメリカに準ずる中国が
米国の脅威になっている事の現れなのであろう。

では、なぜアメリカがシリアの内戦に
軍事介入することが中国を牽制する頃に
繋がるのだろうか?

理由は2つ有る様に思う。

1つ目はトランプ大統領が軍事攻撃を行った現アサド政権を支持する国々の中に中国が入っている事が挙げられよう。( 他にはイラン、ロシア、レバノンのヒズボラ武装勢力 )

だが本当の原因は次に挙げる2番目の理由がアメリカの本音なのではないかと個人的には思っているのだが、それが「 中東諸国の豊富な石油資源の確保 」なのでは無かろうか?

べつに戦争を仕掛けて石油を強奪しよう、などとは思っていないだろうが、中東諸国の豊富な石油資源を抑えてしまえば、以前の大戦で日本が食らったABCD包囲網の如く、中国に対しても石油の輸出をコントロール出来、牽制する事が出来る。

ここで、あなたは「 中国は1日の石油生産量462万バレル( 2014年:1バレル160リットル )で世界4位だぞ? 」と思われるかもだが、肝心の消費量が倍以上の日/1,112万バレルと生産量の2倍以上有るので、輸入に頼らざるを得ないのが実情なのである。

その証拠に、やや古いデータでは有れど2012年の石油輸入量は日/408万バレルと世界第2位である。↓

最大生産国はアメリカ合衆国で日産1898万バレル…世界各国の石油生産・輸入・輸出量の実情(最新) : ガベージニュース
多様なエネルギー資源が開発されている現在でもなお、化石燃料の代表格で産業、経済、さらには人々の社会生活そのものを支える柱となっているのが石油(原油)。その石油の各国における生産量や輸出量・輸入量の動向は複数の調査機関や公的機関が精査し、公開している。今回は

だから、石油の大量消費国の中国に取って
石油の輸入を制限される事は大きな痛手を
被ることになり、その辺の諸事情も
トランプ大統領は良く分かっているのである。

トランプ大統領は昨年の選挙戦を制して今年の1月20に新大統領に就任された、どちらかと言えば闘争心の強い人柄だという印象。

無論、アメリカがシリアに軍事介入するわけはトランプ大統領が好戦的だから、という理由だけでは無い。

使われたのは有機リン系のサリンか

 今回、アメリカのトランプ大統領が指示した
シリア政権への軍事攻撃の原因だった
シリア,イドリブ県への4日に起きた化学兵器の空爆。

これに使われたのは有機リン系の「 サリン 」
である疑いが濃厚で、これを吸い込むと痙攣や呼吸困難に陥り、
命を落とす事も有る猛毒の成分であるが
一定の時間が経てば空気中に分解される。

このサリンという成分で思い出さるのが
今から22年前に東京メトロ霞ヶ関駅構内で起きた
オウム真理教の信者に拠る「 地下鉄サリン事件 」である。

1995年当時、朝の通勤時間帯である8時頃オウム信者から意図的にサリンがバラ撒かれ、13名が亡くなり約6,300名が負傷した事件。

だが、今回のシリアでも2013年8月にサリンが首都のダマスカスに投下され( マスタードガスのビラン剤との説も )、多数の民間人が犠牲になっている過去がある。

この当時のアメリカ政権はバラク・オバマ元大統領【 55 】で有ったが、この時も「 レッドライン( 赤線 )を超えたらシリアのアサド政権に軍事介入する 」と警告していたが結果として何もせず、当時の対応をトランプ大統領が批判している。

日本の安倍晋三首相の声明

今回の一連の軍事介入に拠る国際情勢に対して
安倍晋三首相【 62 】は報道陣に
「『 極めて非人道的な化学兵器の拡散と使用は絶対に許さない 』
とする米国政府の決意を日本政府は支持します。
国際秩序の維持と同盟国と世界平和と安全に対する
トランプ大統領の強いコミットメントを
日本は高く評価します。」と話した。↓

被害に遭われた方々には心より、お見舞い申し上げるが
この日本で生活している限り突然、空から猛毒の
「 サリン 」が撒かれるなんて、まず想像が付かない。

ホルムズ海峡で攻撃されたタンカー船の国華産業株式会社とは?
オマーン湾のホルムズ海峡付近で魚雷による攻撃を受けたタンカー船Kokuka Courageous号は日本の国華産業株式会社が運航する船だ。海運倉庫業を営む国華産業とは、どの様な企業なのかをWikipediaウィキペディア情報が無いので、まとめてみた。

こういう戦争の記事を打っていると、いつも
「 平和を享受出来る日本に生まれ育ったのは
幸運以外の何物でもない 」という
結論に達してしまうのでは有るが、しかし本当に
この通りなのだと痛感している次第なのである。

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