天皇陛下が語られた生前退位のお言葉の真意とは

emperor

 しかし、この世は世知辛い…

いかに”日本国民統合の象徴”である「 天皇陛下 」
と言えども、全ての物事が自分の希望した通りに
都合よくは行かない物である。

言い換えれば上記の内容こそが、
「 天皇は国政に関する権能を有しない 」
( 憲法第4条 )と言われる「 立憲君主制 」であるが故に
生じる齟齬( そご )であろう。

陛下のお言葉で生前退位の真意とは

 今から2月半ほど前の8月8日に日本の第125代の
「 今上天皇 」( 明仁”あきひと”天皇《 御歳82歳 》 )が、
生前退位の、お言葉 』をビデオメッセージで公開された。

 約11分に及ぶ陛下のビデオメッセージには、
ただの1度も「 生前退位 」のお言葉はモチロンの事、
「 もう引退させて欲しい 」などという直接的な表現は
一切、口に出さずに敢えて間接的な控えめの表現に
抑えておられた印象だ。

確かにハッキリとは表現されなかったが、
それでも全体的なニュアンス( 意味合い )としては
「 そろそろ天皇の役目を譲位して皇太子にバトンタッチすべき
時期に差し掛かっている 」と言う趣旨の、お言葉を話されて
いると見て間違いないだろう。

だが、この焦点をボカシつつも、ご自分の意思を語られた
天皇陛下の控えめな表現は、お言葉としては正しかったと私は見ている。

何故ならば、ここで「 生前退位したい 」などとハッキリと言い切ってしまうと、
皇室典範改正を暗に促すと言う政治の行為に触れる恐れも出て来るからである。

陛下ご自身もメッセージビデオの中で
「 天皇は国政に関する権能を有しない 」
と語られている通り、天皇の政治活動への関与を
日本国憲法第4条は認めていない。

しかしながら、上記の様な陛下のご意思を汲んで
「 じゃあ、そうしましょうか 」などと
すぐに通る話しでも無く、「 生前退位 」を
実現させるためには皇室典範の改正など、
法律面の整備が必要不可欠になって来るのは
言を俟( ま )たない。

生前退位の実現に向けて政府が動き出した

 政府が天皇陛下の「 生前退位 」の、お言葉を受け
「 特別措置法の制定 」で可能な状態に持っていく方向で
検討に入ったことが9月4日に判明した。

ただし「 皇室典範の定め 」を無視して
特別措置法「 単体 」での制定では、
憲法違反に繋がる恐れも有るため、
皇室典範の附則を付ける方法での
法律改定を視野に動き出している。

皇室典範「 本体 」の改定を見合わせているのは、
それに慎重な世論の動きに政府が配慮したためだと言われている。

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ビデオで語られた陛下の、お言葉とは

 前述した通り、ビデオメッセージでは大筋で
「 生前退位を、ご希望 」されていると見て間違いないだろうが、
個人的に気になる点が幾つか有ったので、ここに記す。

1:30「 私が個人として、これまでに考えて来たことを
話したいと思います 」と語られた後。

3:35「 既に80を越え幸いに健康であるとは申せ、
次第に進む身体の衰えを考慮する時、これまでの様に
全身全霊を以って( 国民統合の )象徴の務めを果たしていくことが
難しくなるのでは無いかと案じています。」としながらも…

7:10「 天皇の高齢化に伴う対処の仕方が国事行為や
その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには
無理があろうと思われます。」と、お話をされているのだ。

実は上記した陛下のお言葉には「 前置き 」が有り、
今年5月に宮内庁では天皇、皇后( 美智子 )両陛下の執り行う
「 ご公務 」の負担を減らすために、お二方の年齢に考慮した形で
ご公務全体の見直しが行われ、大幅な削減案が発表されている。
( 特に年間で百回にも及ぶ拝謁などの見直し )

しかし!である。

宮内庁が両陛下の年齢に配慮して取りやめた
一部の「 ご公務 」の取りやめ案に
『 今上天皇が難色を示された 』
為ご公務の削減は、かなり縮小されたと言う事なのだ!!

私の言葉は悪いが、陛下のこの辺りの生真面目さと言うか、
「 仕事を続ける以上は、キッチリと任務を全うし妥協は許さない! 」
と言う剛気な姿勢が垣間見えるが、この辺の謹厳実直さは
戦後、GHQ総司令官のマッカーサー元帥との会見で
「 戦争は私の名で遂行された、私に責任がある! 」
と言ってマッカーサー元帥を心から感動させた父の、
「 昭和天皇( ”裕仁”ひろひと ) 」の血筋から来るもなのであろうか?

超激務な、ご公務の内容がブラック過ぎる!?

 それでは今回、問題視されている天皇皇后両陛下の
「 ご公務 」は、一体どの様な内容の仕事なのだろうか?

 宮内庁に拠れば
「 憲法に定められた国事行為 」と
「 式典や行事へ出席する公的行為 」を
「 ご公務 」であると位置づけている。

なお、プライベートな外出や宮中祭祀などの私的行為は、
ご公務に該当しない。

さっそくググりまくって検索してみると、
これは不肖この私めでも耐えられる内容なのか?
と、いぶかるほど激務な日程になっていて驚いた!

 前出の今上天皇の父「 昭和天皇 」は、ご自分の父
「 大正天皇( ”嘉人”よしひと。今上天皇の祖父 ) 」に付いて
激務に身をすり減らした消耗ぶりを思い出しながら
「 父は天皇になるべきでは無かった 」と語られた事がある。

 だが、その様に語られていた当の昭和天皇が
74歳だった昭和50年当時と比べると、
今上天皇の御公務の多忙さは圧倒的で、
御会見や、ご引見( ごいんけん )の数は1.6倍、
拝謁などが4.6倍、都内や地方への、お出かけは2.3倍と
著しく増加している。( 宮内庁のホームページより抜粋 )

国内各地に出かけられる回数は1年で約60回、
皇居、宮殿、御所に於いては両陛下主催の様々な行事が
昨年だけで約230件も催されている。

毎年春と秋に催される「 園遊会 」はTV番組でも放送されるが
両陛下は招待客2千人の、お相手をされる。

これに加えて内閣から届く書類に著名・捺印する決裁の
「 ご執務 」が昨年だけでも1000件以上もあり、
これらの書類が、なんと地方訪問時や静養中にも届くので
その仕事も合間を見てキッチリこなさなければならない。

無論、陛下はただやみくもに目を通して押印している訳ではなく、
1枚1枚内容を理解した上で決裁するのだという。

そんな中、昨年の休日は平均的な労働者の113日を大幅に下回る
「 82日 」しか無い事に加えて、その半分に当たる41日は
何がしかの活動が有ったとされる。

ちなみにこれらの情報はネット上の噂話しをかき集めた
いい加減なものではなく、れっきとした
宮内庁の公式ホームページ 」からの数字で
あるので、確度は相当に高い。

これだけでも十分過ぎるほど「 ブラックな内容 」なのに今年の2月にインフルエンザに掛かった天皇陛下に宮内庁は「 翌日からの御公務は症状を見て判断する 」との発表に、インターネット上では「 えっ?ありえない! 」との非難の声が続出していた。

皇族と言えども愛嬌を振りまくのが仕事の一部?

 誤解の無いように断っておくが別に
「 宮内庁 」を糾弾するつもりは毛頭ないし、また宮内庁側もこの様な
「 国民の声 」も鑑みて5月のような御公務の大幅な見直しを検討されたのであろうかと思う。

ただ5月の見直し前の御公務のスケジュールでは、
お年を召されている両陛下に対して無理が無いか?
と思える事をTwitterで私が個人的に率直に表現しているだけだ。

さて、私が両陛下に限らずTVなどのマスメディアで
皇族の方々を拝見させて頂く機会が何度か有ったのだが、
ご公務と言う仕事に加えて、あまり表には出て来ないが
皇族の中の取り決め事項が「 確実に 」あるものと見ている。

それが何なのかと言うと、あなたも度々ご覧に
なったことが有ると思うのだが、ズバリ!
マクドナルドにある様な「 0円スマイル♪ 」である。(^o^)

その¥0スマイルの取り決めが如実に現れるのが、
お車で移動される際に、見送る民衆に向かって窓を全開に開け
「 溢れんばかりの満面の笑みで 」
手を振って応えていらっしゃるシーンであろう。

これは私も含めた国民側にしてみたら、
自分たちの熱い声援に対して皇族方が、
お車のパワーウィンドゥを全開に開けて
応えて下さるのは、望外の喜びである。

人気芸能人ですらも、ここまではしないであろう
徹底したファンサービスを必ず遂行される映像を拝見する度に思うのは、
「 宮内庁の指示が有るな? 」と密かに思わずにはいられないのだ。

皇族の方々は芸能人などとは違って、
「 人気商売 」では無いが、しかしながら昔の様な
「 絶対的な神に近しい国家元首 」ではなく
「 日本国民統合の象徴 」と規定される現代に於いては、
芸能人同様に「 そのイメージ 」が、いかに大切であるかと
宮内庁は認識しているのではなかろうか。

 話しが一瞬、横道に逸れるが、
戦後の代表的な歌謡曲「 銀座カンカン娘 」などで
ヒットを飛ばし、また同名の映画にも出演された
人気女優の「 故・高峰 秀子 」氏が、
当時こんな事を言っていた。

( 以下、「 銀座カンカン娘・前編 」から引用 )↓

“当時、二十五歳の私は、好むと好まざるとにかかわらず、
人さえ見れば歯をムキ出して愛想をふりまかねばならむ
「 人気女優 」という立場にいた。

いつも明るく美しく微笑んで、人を楽しませるために
演技をする人形のような“人気スター”であった。”

( 引用ココまで・出典:「 TAP the POP 」)↑

今でも芸能人の基本的なスタンスは
変わらないと思うのだが近年のアイドル達、
とりわけAKB48などのアイドルグループ達
の取った路線は少々違っていて本来の人間が持つ
「 怒り 」などのネガティブな感情も、意図的に
敢えて出す方向でプロデュースが為されていると聞く。

しかし天皇家、皇族の方々はマスメディアなどの映像を見ていると
とりわけ故・高峰 秀子 氏の様な「 営業スマイル 」的な役割を、
宮内庁側から言い渡されているのは
間違いないように思えてくるのである。

「 ソレが皇族の務め 」だと言われれば返す言葉も無いが、
この様な営業スマイルに加えての激務では疲労困憊は避けられず、
気の休まる暇も無いだろう。(^_^;)

天皇陛下から国民への、お言葉

 10:07「 これからも皇室が、どの様な時も
国民と共にあり相携えて、この国の未来を
築いていけるよう、そして象徴天皇の務めが
常に途切れること無く安定的に続いて行くことを
ひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話し致しました。」

10:45「 国民の理解を得られる事を切に願っています。」との
陛下から国民に向けたメッセージで締めくくられている。

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まず私個人の考えを記すなれば陛下の、お考えに賛成である。

これがまだ30代とか40代の働き盛りであれば、
また話しは違ってくるが( 私には無理かも )
御歳82歳の両陛下に、このご公務のハードスケジュールでは、
さすがに心身共に疲弊しよう。

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普通に考えたって一般企業に勤めていたサラリーマンならば、
とっくに定年後の悠々自適な年金生活者であろう。

82歳になっても現役で、それもハードスケジュールな
仕事をされている方ってなかなか見ない、が…

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元横綱千代の富士( 故・九重親方 )は自身の引退会見で、
「 体力の限界! 」と語っていたが、天皇皇后両陛下も引退とまでは行かなくとも、
宮内庁は「 ご公務と言う仕事の在り方 」を再検討し、ここで両陛下の第一皇男子である
「 皇太子”徳仁”親王( なるひとしんのう御歳56歳 )」にも仕事を分散するなどして
大幅な負担軽減を、お願いしたいものである。

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その際に皇太子が不在になるとか言う事を
問題視される方がいらっしゃるかも知れないが、
そんな事は後で考えれば良くないか?

まず大切なのは、「 いま、目の前にある問題を、どう対処するか? 」
が喫緊の課題で、あとから出て来る問題はその都度、議論すれば
良いのではなかろうか?と私個人的には思うのだが。

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