アメリカのドナルド・トランプ大統領【 71 】は2017年9月17日に韓国の文在寅( ムン・ジェイン )大統領【 64 】と電話会談した際に、「 ロケットマンは、どうしているのかね? 」と訪ねたと、自身のTwitterに書き込みその発言が話題をさらった。
- トランプ大統領の北朝鮮への最新発言
- トランプ大統領が付けた、あだ名は
- 北朝鮮の金正恩委員長との相性は
- 国連安全保障理事会が経済制裁を決議
- ガソリンスタンドに長い行列の意味
- ロケットマンが暴走し続ける理由
ロケットマンは、どうしている?発言[ tweet ]
I spoke with President Moon of South Korea last night. Asked him how Rocket Man is doing. Long gas lines forming in North Korea. Too bad!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump)2017年9月17日
トランプ大統領のツイートを和訳すると、以下のような内容になる。↓
「 私は昨夜、韓国のムン大統領と話しました。ロケット男が、どうやっているのか彼( 文在寅大統領 )に尋ねた。北朝鮮のガソリン・スタンドで長い行列が形成されている。お気の毒に! 」
「 ロケットマン 」とは言わずもがな、北朝鮮の最高指導者「 金正恩 」( キム・ジョンウン )朝鮮労働党委員長【 33 】を指しているものと見られる。
このトランプ大統領の発言に韓国の文大統領が、どう返したかは定かではないが北朝鮮と陸続きで、お隣りの韓国は毎日が緊張の連続だろう。
「 ロケットマン 」というニックネームを命名してシャレで済んでいられるのは最近は、まだ北朝鮮が発射したミサイルが何処かの本土に墜ちて人的な被害が発生していないからであろう。
トランプ大統領がTwitterで発言したように、なぜ北朝鮮のガソリンスタンドには長い行列が出来ているのであろうか?
これには9月11日( 日本時間12日朝 )に国連で決議された北朝鮮に対する9回目の「 経済制裁 」に起因している。
国連決議の北朝鮮への経済制裁の内容
9月3日に行われた北朝鮮による核実験に対して、国連安全保障理事会が全会一致で採択した経済制裁の決議内容は次の通り。↓
( 以下「 国連安全保障理事会が北朝鮮に対する新たな制裁決議を採択 」から引用 )↓
北朝鮮への原油や石油精製品の輸出に上限を設定した制裁強化決議案を全会一致で採択した。
( 引用ココまで・出典:産経ニュース )↑
しかも今回の北朝鮮への原油の輸出制限での国連制裁決議は初めてなのだという。
( 以下「 前出:産経ニュース 」から引用 )↓
北朝鮮への制裁決議で、原油の輸出制限に踏み込んだのは初めて。
米国は当初の提案で石油の全面禁輸措置を盛り込み、渡航禁止や資産凍結の対象に金正恩朝鮮労働党委員長を指定するよう求めたが、決議では見送られた。
制裁強化に慎重な中露が反対し、米国が譲歩した形となった。
( 引用ココまで )↑
間違えてはならないのは「 輸出制限 」とは北朝鮮からの輸出制限ではなく、「 北朝鮮に向けて 」の輸出制限である。
今回の国連決議は北朝鮮寄りだった中国とロシアも賛成に回り、まさに「 四面楚歌( しめんそか )」の状態に置かれた北朝鮮と金正恩委員長なのではなかろうか。
( 以下「 出典・前出:産経ニュース 」から引用 )↓
また、北朝鮮への石油精製品の輸出量の上限は年間200万バレルに定めた。
米当局者によると、北朝鮮は原油を年間400万バレル、石油精製品を450万バレル輸入しており、石油精製品の上限措置で輸入量の約3割を削減することにつながるという。
天然ガス液( 天然ガスが地上産出されるときに回収される天然ガソリン )などは全面禁輸とした。
また、北朝鮮の主要産品である繊維製品の輸出は全面禁止とした。
北朝鮮の貴重な外貨獲得源となっている海外派遣労働者については、受け入れを原則禁止。
決議採択日よりも前に書面で雇用契約がある場合は例外としたが、契約が切れた時点で更新することは不可能となる。
米当局者によると現在、約9万3千人の北朝鮮労働者が海外に派遣されているという。
( 引用ココまで )↑
ざっくり説明させて頂くなれば、北朝鮮への石油精製品の輸出は年間で半分以下に制限、北朝鮮からの
繊維製品の輸出や朝鮮人の海外への派遣労働も各国の受け入れ禁止の措置となった。
これにより、北朝鮮が受ける経済的なダメージは計り知れない物が有るが、アメリカ・トランプ大統領主導の国連制裁決議の狙いは「 ミサイルを打ち上げるだけの余計な資産が有るなら削るからね~ 」と言った所なのか。
そう言えば、今から76年前の1941年に日本も米国からの原油製品の全面禁輸が決定打となり日米開戦に至った経緯があった。
つまり、トランプ大統領がTwitterで[ tweet ]したように北朝鮮のガソリンスタンドに長い行列が出来た理由は、すぐに原油が不足したためでは無く、国側が現段階から原油製品の供給を制限したためだと思われる。
この状況を知ったトランプ大統領は「 お気の毒に 」と痛烈に北朝鮮と金正恩委員長を皮肉った発言をツイートしたのである。
トランプ大統領とロケットマンの相性は
不肖この私めは昨年行われたアメリカ大統領選挙の段階から、トランプ大統領をチェックしていた。↓
人間的に熱く、直情的かつ好戦的な
ファイター・タイプの大統領だと、当時の
「 茨城瓦版 」の記事でも綴ったが、かくして
予想通りに、今年の4月にはシリア介入への
軍事攻撃も指示していた。↓
別にトランプ大統領でなくても軍事介入はしたのかも知れないが、やはりと言うべきかミサイルを打ち上げ
核実験を繰り返して国際社会を挑発し続ける金正恩氏との相性は「 水と油 」なのは間違いない。
そんなトランプ大統領も、今年の5月頃には
「 条件が整えば金正恩委員長と対話しても良い 」
と発言していたのである。
( 以下「 トランプ大統領「 適切な状況になれば金正恩に会う 」就任後初めて言及 」から引用 )↓
ドナルド・トランプ米大統領が「 適切な状況になれば 」
北朝鮮の金正恩( キム・ジョンウン )労働党委員長と
会う用意が、あると明らかにした。
( 引用ココまで・出典:hankyoreh )↑
結局、米朝会談が実現すること無く
今回の国連決議の経済制裁に、
いたってしまったのである。
【米朝首脳会談始まる】アメリカのトランプ大統領と北朝鮮のキム委員長、会談冒頭の発言です。やや緊張した表情のキム委員長と握手をするとトランプ大統領はグッと親指を立てました。https://t.co/8MvmJvnuGv pic.twitter.com/SwucJqkXp4
— NHKニュース (@nhk_news) 2018年6月12日
なぜロケットマンは暴走し続けるのか
金正恩委員長がミサイルを打ち上げ核実験を繰り返す、その背景には「 精神的な恐怖感 」が有るためなのでは無かろうか。
つまり、「 国際社会が我々、北朝鮮を脅かしている 」という恐怖感。
今から100年前の「 西欧列強時代 」は各国の独裁者たちが力づくの戦争で跳梁跋扈( 悪人などがのさばり、はびこる事 )していた正に弱肉強食の時代であり、自国を防衛するための「 強がり 」も致し方ない部分が有ったかと思われる。
少し話しは逸れるが、むかしオランダの植民地であったインドネシア【 東インド領 】の現地民などは350年もの長きに渡って支配層に拠る不当な冨の吸い上げを受け、日本軍が侵攻するまではその奴隷状態から抜け出す事は出来なかった。
しかし今の時代、戦争が0になったとは言えないが基本的には世界全体が和平強調路線を歩んでいるので、ミサイルや核実験を強行して他国を牽制する必要が果たして有るのか?という疑問がある。
自国の防衛は欠くべからず大事であるが、トランプ大統領に「 ロケットマン 」と、あだ名を付けられるほど強がらずとも、協調路線を歩めば良いのにな、と個人的には思ってしまうのだ、が。
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